大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ネ)657号 判決

一 当裁判所も、控訴人の当審における主張を考慮に入れてもなお、控訴人の本訴請求は理由がなく、これを棄却すべきものであると判断するものであるが、その理由は、後記1、2のとおり付加、訂正し、3、4のとおり付加するほかは原判決の理由と同一であるから、これを引用する。

1 原判決一四枚目裏七行目の「本件発明」の前に、「前記特許請求の範囲に記載された」を加え、同八行目の「被告が被告の主張2(一)ないし(七)」を「少なくとも被控訴人が被控訴人の主張2(三)ないし(六)」と訂正する。

2 原判決一五枚目表三行目の「同条」から五行目の「であり、」までを「右段梯子の組立方法が前記のとおり認定できる以上、同条の規定を適用する余地はないから、」と訂正する。

3 控訴人は、「特許請求の範囲は技術的思想であつて、その記載全体の相互補足関係によつて構成されている精神現象であるから、これを分解、分説できるものではない。」旨主張する。しかし、被控訴人製品の組立方法が、本件発明の技術的範囲に属するか否かを判断するに当つては、まずその前提として、被控訴人製品の組立方法について、本件発明の特許請求の範囲に示された各構成要件と比較対照してその異同を明らかにした上これら諸点を併せ検討して前記判断に及ぶことは当然のことであり、発明ないし特許請求の範囲に表示されたところか、技術的思想(ないし控訴人のいう精神現象)であるからといつて、このような思考、判断が許されないいわれはない。控訴人のこれと異なる主張は独自の見解に基づくものであつて採用できない。

4 控訴人は、「原判決添付第三目録第1図に記載の凸段部2の下端部に横線が記載されていないことから、被控訴人製品における右凸段部2の平面形状は円形ではなく、横長四角形(短冊形)のものといわざるを得ず、そうすると、この凸段部は、これと他の部材との間に嵌合不能を生じ、支柱の構成に重大な欠陥を発現する。」旨主張する。しかし、被控訴人製品が原判決添付第二目録記載の図面のとおりであることは当事者間に争いのないところ、右第二目録(特にその第三図)によれば、これに記載の突出部6(前記第三目録に記載の凸段部2に相当する。)の平面形状は、円形であつて横長四角形(短冊形)でないことは明らかであり、このことは、前記第三目録(特にその第2図)にも明記されているところである。従つて、同目録第1図に記載の凸段部2の下端部に横線の記載がないからといつて、その平面形状が横長四角形(短冊形)であるということはできず、控訴人の右主張も採用できない。

二 よつて、控訴人の本訴請求を失当として棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとする。

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